サルコペニア、ロコモ、フレイルについて

皆さんは、サルコペニア、ロコモ、フレイルという言葉を聞いたことはありますか。
最近歩くとすぐに疲れる、階段を上るのが遅くなったなど心当たりがある方は、サルコペニア、ロコモ、フレイルのいずれかの症状かもしれません。

これらに当てはまる方は、介護を受けながらの生活や、体に問題を抱えて過ごす期間が長くなる反面、健康寿命が短くなってしまう可能性が高くなります。

日本の健康寿命は平均寿命より約１０年短く、如何にして健康寿命を伸ばすか、平均寿命が男性が８１歳、女性が８７歳という長寿大国にも関わらず日々議論されています。

それでは、この定義や症状が異なる３つについて違いを知っていただき、日々の生活に活かしていただければ嬉しく思います。

目次

１．サルコペニアについて

２．ロコモについて

３．フレイルについて

４．運動と食事で予防

まとめ

１．サルコペニアについて

加齢に伴う筋肉量や筋力の低下のことをいいます。

年齢を重ねて活動量が減ると、体を動かさなくなるので筋肉量も減っていきます。
筋肉量は活動量に比例し、筋肉量が少ないと筋肉の太さ（横断面積）が細くなるので筋力が低下しやすくなります。
原因は、加齢による筋肉量の減少や、年齢を問わない活動不足や栄養不足のよる筋肉量の減少がきっかけになります。

サルコペニアは世界保健機関が認定した国際疾病の一つで、これからご紹介するとロコモやフレイルの引き金になりやすい症状です。

以下に当てはまる方は、サルコペニアを疑ってみて下さい。　

• ペットボトルの蓋を開けられない
• 階段を上るのがつらい
• ふくらはぎの最も太い部分周径が、男性３３㎝以下、女性３２㎝以下

２．ロコモについて

ロコモティブシンドロームの略で、筋力の低下により、立つ、歩くなどの体を移動させる機能が衰えていきます。
別名、運動器症候群ともいいます。

運動器というのは、筋肉、骨、関節、神経など体を動かす器官のことです。
ロコモになる原因は、筋力が低下するサルコペニアの他に、骨粗鬆症や変形性関節症などが関係します。

筋力以外にも関節の痛みや、バランス感覚の低下により、転倒リスクが上がってしまいます。
ロコモは要支援、要介護になるリスクが高い状態です。

以下に当てはまる方は、ロコモを疑ってみて下さい。　

• 立って靴下を履けるか　
• 横断歩道を青信号の内に渡り切れるか　
• 手すりを持たずに階段を登れるか

３．フレイルについて

加齢や疾患により心身ともに衰弱し、介護が必要ではないが健康でもない状態のことをいいます。
活動意欲や運動量が低下すると食欲も減退します。
食事量が足りないと必要な栄養も不足し、更に衰弱してしまうという悪循環が発生します。

フレイルは、心や体やの状態で３種類に分類されます。

• 身体的フレイル：サルコペニアやロコモが原因の運動器の衰え
• 精神的フレイル：うつや軽度の認知症
• 社会的フレイル：社会との孤立

以下の５つの項目の内、３つ以上該当する場合はフレイルの可能性が高いと思われます。

• 体重減少（意図せず１年間に４．５kgまたは全体重の５％の減少がある）
• 疲れやすい（何をするのも面倒だと感じる日が週３、４日以上ある）
• 歩行速度の低下
• 握力低下
• 身体活動の低下

４．運動と食事で予防できる

運動することとバランスの良い食事を摂ることは、一般的によく言われますが、私もこれらで体の衰えを抑制できると思います。

運動が勧められるのは、ロコモにも多い転倒のリスクを下げるためです。
もう一つは、体のエネルギー発電所であるミトコンドリアを健康にすることができます。
ミトコンドリアが健康になると、体力がつき体を動かすためのエネルギーが多く作られ、食欲も上がって活動量が多くなります。
そのためには筋力トレーニングと有酸素運動が最も効率が良いといわれています。
簡単にできることは、毎日ラジオ体操を行う、散歩を週１５０分以上実施するなどがおススメです。

食事面では、サルコペニアの原因である筋肉量を減らさないためにも、一日体重×１～１.５ｇのタンパク質を摂取することが重要です。

タンパク質は良い体づくりのために、肉、魚、卵、大豆製品などを選びましょう。
これらの食品を食べるには、しっかりと噛む必要がありますので、咀嚼筋を衰えさせないことが重要です。
年齢を重ねると、オーラルフレイルという口腔機能が衰えてしっかりと咀嚼出来ず、食が細くなってしまう場合があります。
栄養不足にならないためにも、咀嚼筋を強化して噛む力を維持しておきましょう。

そこでおススメなのは口腔体操です。
口腔体操は、舌で歯をなぞるように大きく回す、口を大きく開ける→閉じるを繰り返すなどがあります。

これらは顎を中心に動かすので、脳にも刺激が伝わります。
そうすることで認知機能も向上し、フレイルにみられるボケ防止にもなるといわれています。

まとめ

年齢を重ねると体調を崩しやすくなり、様々な病気の発症リスクが上がります。
ご紹介した３つの症状は、現在何も問題なくても将来的になる可能性があります。

これらは日常生活の意識を変えることで健康的な体を維持し、症状の改善が可能です。
出来る内に体力つけておくことが一番の対策になりますので、良い運動習慣を身に付けていきましょう。

※トレーニングの効果に関しては、以下のブログで詳しくご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

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