先般「筋トレの効果を見直そう」では、主に体の外面に表れる効果についてお話しましたが、筋トレの効果はそれに留まりません。
    さらに免疫力やメンタル面など、人の内面に及ぶ「驚きの効果」があります。

    社会では、コロナ禍の新しい生活様式に慣れてきた反面、心体に関する様々な問題が顕在化してきています。
    実は、筋トレはそのような問題を解決する一助となりえるのです。

    新型コロナウイルス感染症の状況はまだまだ予断を許さず、外にも出かけにくく家や屋内にいる時間が増えています。
    リモートワークなども常態化しつつあり、座っている時間も長くなっています。
    このようなことによる典型的な問題は、幅広い年齢層における運動不足による筋力低下です。

    動きが少なくなったことで筋肉は硬くなり、血流が悪くなりコリが生まれたり、同時に関節の可動域は制限され思うような動きができず、パフォーマンス低下や関節への負担が増えたりします。
    また、それに伴い自宅で食事をする機会も増え、その中でアルコール量が増えたという傾向もあるようです。

    こうした流れは、仕事の側面にも影響を及ぼしています。
    外出自粛・リモートワーク・営業時間短縮などの仕事の変化に伴い、精神的ストレス「コロナ鬱」「コロナ疲れ」という言葉も聞かれるようになりました。

    このような環境の変化から、気力の低下が起こり、無気力・無感動になったり、仕事に対して意欲や重要性を感じなくなったり、あるいは、相手に対する配慮を欠いたりするなどの現象がみられ、カウンセリングセンターなどでは相談が増えているようです。

    これらが一因となり、朝起きられない、急に欠勤・遅刻する、頭痛や胃痛などに襲われる・・・などが起こり、結果的に仕事のミスを誘うことにも繋がりかねません。

    このようなことへの対応は、まずは自分を大切に守っていく生活習慣にあります。
    その二大柱は、食事と運動です。

    特に筋トレは、年齢を問わずに始められ、やり方が正しければ必ず効果が出ます。
    すでに健康への取り組みに積極的な人は、トレーニングに励み、鈍った体を鍛え直そうと考えている人も多くいらっしゃいます。

    それでは、皆さんも乗り遅れないように、筋トレに期待できる内面的効果について、理解を深めていきましょう。

    目次

    1.筋トレで、免疫力向上につながる

    2.筋トレで、幸せ感を得られる

    3.筋トレで、ビジネスに好影響をもたらす

    4.筋トレで、見た目も内面も変わり自信が持てる

    まとめ

    1.筋トレで、免疫力向上につながる

    ようやく感染症に対するワクチン接種がスタートしましたが、まだまだ予断を許しません。
    特にコロナ重症化の要因を抱える方は不安で、肥満もそのひとつとも言われています。
    では痩せれば良い、とは言え不合理な「減量」はリバウンドだけではなく、免疫力低下にも繋がります。

    正しい「ダイエット」に取り組み、自分の思うように動く体を手に入れれば、結果的に免疫力も備えた健康な体を手に入れられます。
    では、なぜ筋トレが免疫力向上に役立つのでしょうか。

    免疫力を高めるためには、筋トレなどの適度な運動をすることはとても大切です。
    大きな要因としては、筋肉量です。

    私たちは加齢ともに筋肉量は減ります(これをサルコペニアと言います)。
    筋肉量が多いと、運動をした際に体温があがり、血行が良くなることで全身に酸素や栄養が行き渡るため、免疫力が向上します。
    筋トレをすることによって筋肉量が増えるため、筋トレが免疫力を上げることにつながるのです。

    そして適度な運動をすることで、免疫細胞の増殖につながります。
    これをナチュラルキラー細胞(NK細胞)と言い、体内でウイルスに感染した細胞や、突然変異などにより発生した異常な細胞を認識し、攻撃・破壊をする細胞です。
    このナチュラルキラー細胞が増殖することで免疫力が上がります。

    私たちの身体では、毎日100万個以上のがん細胞が生まれていることはご存じでしょうか。
    ナチュラルキラー細胞など免疫機構が正常に働いていれば、すぐに摘み取られ、即ガンになることはありません。
    しかし、サルコペニアになるとその危険度は高まるのです。
    高齢になるほどガン発生率、生活習慣病の罹患率が高くなるのは、ナチュラルキラー細胞の活性化の衰えに関連しています。
    年齢は関係なく、健康的な身体作りに運動は不可欠なのです。

    2.筋トレで、幸せ感を得られる

    筋トレ=筋肉を大きくすることと思うのが普通ですが、実は筋トレをすると、まず神経回路(神経細胞)が発達します。
    それと共に「幸せホルモン」「脳内ホルモン」と呼ばれる3大神経伝達物質の分泌が活発になり、それらが生活に好影響をもたらします。
    それでは、ひとつずつお話していきましょう。

    (1)ドーパミン【やる気、モチベーション】

    ドーパミンは、アドレナリンやノルアドレナリンの前駆体で、快楽を司り報酬や称賛に反応するホルモンです。
    しかし最も注目すべきは、報酬や称賛を得るための向上心やモチベーションとの深い関係です。

    「仕事や勉学のやる気が起きない」といったお悩みを持っている人も多いと思いますが、筋トレを行うことでドーパミンが分泌して、あなたのやる気スイッチがONになるでしょう。
    その他にも、記憶や学習能力、運動機能に関与すると言われているため、仕事や私生活のパフォーマンスを向上させる大切なホルモンです。

    ドーパミンの分泌が不足すると、物事への関心が薄れ、運動機能、学習機能、性機能が低下する可能性があります。
    パーキンソン病の原因は、ドーパミンの減少とも考えられています。

    (2)ノルアドレナリン【意欲や積極性、集中力】

    交感神経を刺激して心身を覚醒させる働きがあります。
    快感を増幅、物事への意欲の源、生存本能を司ります。
    別名:怒りホルモンやストレスホルモンと呼ばれており、ストレスに反応して怒りや不安・恐怖などの感情を起こします。

    ノルアドレナリンの分泌が不足すると、気力や意欲の低下、物事への関心の低下など抑うつ状態になりやすいとされ、うつ病の原因とも考えられています。

    逆に過剰に分泌すると、怒りっぽく、イライラ、キレやすくなり、躁状態を引き起こします。
    また、末梢血管を収縮させて血圧が上がるため、高血圧症や糖尿病の原因になるとも言われています。

    (3)セロトニン【感情コントロール、想像力、アイデア力】

    セロトニンは別名、幸せホルモンと呼ばれる脳内ホルモンで、ノルアドレナリンやドーパミンと並び、感情や精神面、睡眠など人間の大切な機能に深く関係します。

    脳は緊張やストレスを感じるとセロトニンを分泌し、ノルアドレナリンやドーパミンの働きを制御し、自律神経のバランスを整えようとします。
    疲れやストレスが溜まっている時にお風呂に浸かったり、ストレッチなどのリラックス効果のあることを行うと癒されますよね。
    これはまさしくセロトニンが増え、ノルアドレナリンが減少しているからです。

    その他にも、咀嚼や呼吸、歩行といった日常生活で反復する運動機能にも関与しているため、私生活の中でも非常に重要なホルモンなのです。

    ストレスや疲労が溜まることで、セロトニンの分泌量が減少します。
    すると、脳がうまく働かない、鬱、パニックを起こしやすいなどの症状が現れます。

    セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を前駆体として、腸で作られるため、腸内環境も非常に重要になります。
    トリプトファンは、たんぱく質を豊富に含む食品(肉、魚、卵、大豆製品など)を摂取し、適度な運動や日光に浴びることで分泌されます。

    3.筋トレで、ビジネスに好影響をもたらす

    (1)筋トレはビジネスと好相性

    ビジネスの世界は、常に課題を解決し続ける、ある意味でタフな世界です。
    当然、計画的に効率を求めて成果を出すことも求められます。
    しかし、リモートワークなど家庭と仕事場との境がない状況で、常にパフォーマンスを出し続けることは精神的に疲れます。

    最近、書店に行くとビジネス書とともに、筋トレに関連したビジネス関係書籍を、いろいろ見掛けるようになりました。
    実は、筋トレも体重や体脂肪・ウエイトなどを指標として、計画的に効率的に成果を求めていくところは、ビジネスと同様です。

    また、トレーニングは単にウエイトなどを上げ下げするのではなく、ひとつずつの意味や型(フォーム)を理解して極めていきます。
    これらは、仕事の意味を理解するのと同様で、なかなか奥深いものがあります。
    このように、筋トレはビジネスの世界に通じることが多くあります。

    かつて40年ほど前に、アメリカでヤッピーという言葉が流行りました。
    Young Urban Professionalsの略で、いわゆる30代で経済的に高水準を目指すライフスタイルの、エリートビジネスパーソンのことです。

    彼らは、仕事で上級を目指すのですが、そのために健康にも気を遣っています。
    当時を描いた映画では、彼らのライフスタイルとして、ジムで鍛えることが当たり前のように描かれています。
    実は現在においても、筋トレに励む経営マネジメント層は多くおられ、弊社クラブにも何名か来られています。

    マネージャーに限らず、責任を負って仕事に向かう時は、ある意味孤独な場合もあります。
    そのような時、自分と向き合い、自分でコンディションを保つ必要があります。
    筋トレをルーティンにすることで、頭をすっきりとさせ、クリアになった頭で仕事に向き合う方も多くいらっしゃいます。

    このようなことから、筋トレのプロセスはマネジメント力にも活かせ、ビジネスと好相性なのです。

    では、なぜ筋トレがこれほどビジネスと好相性となり、好影響をもたらすのでしょうか?
    もう少し、専門的な観点からお話ししましょう。

    (2)筋トレは自律神経を整え生活にメリハリを生む

    自律神経は、自分の意思とは関係なく、刺激や情報に反応して、体の機能をコントロールしています。
    内臓を動かす、血流を流す、栄養を吸収する、老廃物を回収するなど意識せずに働いているのは、すべて自律神経が司っています。

    自律神経には、交感神経副交感神経があり、この2つのバランスが非常に大事になります。

    交感神経

    活動、緊張、ストレスなど心拍数が上がっている時

    副交感神経

    休憩、睡眠、リラックスなど心拍数が正常値に安定している時

    自律神経が乱れることで、慢性的な疲労感、睡眠異常、体温の異常など様々な身体の問題につながります。
    したがって、健康を維持するためにとても重要な神経と言えます。

    このようなことに対する予防・改善として筋トレが効果的で、交感神経と副交感神経のリズムにメリハリがつくということがわかっています。

    肥満の人は交感神経と副交感神経、どちらの活性も弱く、熱産生レベルも低くて基礎代謝量も少なくなっています。
    しかし一定期間、運動を行うことで自律神経のリズムが整ってきます。

    有酸素運動でも効果は期待できますが、筋肉への強度が弱いため、時間がかかります。
    そのため、効率がいいのは筋トレです。

    このふたつの事実を照らし合わせると、筋トレで自律神経が活性化し、その結果、熱産生エネルギーが向上するということも十分考えられます。
    代謝が上がり、痩せやすくなり、一日の生体リズムにもメリハリがつくというメリットがあります。

    (3)オン&オフで、メリハリのある生活を

    筋トレは、栄養と休息のバランスがとても大切です。
    仕事も同様に、気が張り詰めた状態ばかり続けば、出てくるアイデアも出てこなくなります。
    緊張とリラックス、オンとオフのコントロールが上手くできれば、仕事にも良い効果が及ぶようになります。

    ここまで、ビジネスパーソンを切り口にお話ししましたが、コロナ禍の中では、主婦の皆さんも家事が増えお疲れでしょう。
    ビジネスパーソンのみならず、主婦の皆さんも、心身ともにリセットすることが一層大切になります。

    ぜひ、筋トレをはじめとするトレーニングをお試しください。
    リフレッシュすること、間違いなしです!

    4.筋トレで、見た目も内面も変わり自信が持てる

    ビジネスパーソンの場合、スーツやユニフォームが似合い、カッコいい印象になります。
    当然ながら、主婦の皆さんも、普段着が見違えるように変化するでしょう。

    このような外面の変化もさることながら、さらなる効果として、自分の内面から自信を持つために、性別・職業関係なく筋トレをお勧めします。
    さらに、鍛える部位としてお勧めするのは、胸・肩周り・腕・ヒップを特に整えることをお勧めします。

    日本の服装は昔は着物でしたが、現在では外国から渡来した洋服が日常となっています。
    発祥の地、欧米の人のスーツ姿が非常にカッコいい印象がありますよね。
    当クラブの会員様でいらっしゃる、オーダーメイドスーツのテイラーで働く専門家に聞いたところ、欧米の人たちは日本人に比べて鎖骨から肩周りの筋肉(大胸筋や三角筋)や、臀部の筋肉(大殿筋)の張り感があるとのことです。
    つまり、身体のメリハリがしっかりしているため、スーツのシルエットがかっこよくなるのだそうです。

    対して日本人は、胸板が薄くお腹が出ているため、それを隠そうとダボっとした大きめのスーツを選びます。
    そのため、タイトに仕上がらないのだとか。

    皆さんも、007に出てくるジェームズボンドのようなスーツの着こなしをしてみたくはありませんか。

    正しい知識とやり方で鍛えれば、人に与える印象は短期間で効果的に変わり、自分自身にも自信が溢れてきます。
    そんな姿で仕事をしていたらとてもかっこよく、部下からの信頼も厚くなるでしょう。

    まとめ

    以上、人の内面にも及ぶ「筋トレの驚きの効果」についてお話してきました。
    筋トレ=体を鍛える(特にムキムキだったり、引き締まった体つくり)と思われていた方にとっては、ある意味目からうろこのお話だったかもしれません。
    しかし、筋トレに限らず運動することは、健康に必須なのです。

    スリムになりたい、マッチョになりたい、体を引き締めたい、カッコよくなりたい、もてたい、健康を維持したい、生活にメリハリをつけたい、自信を持ちたい、仕事で成果を出したい・・・目的・目標は人それぞれですが、いずれを目指すにも筋トレは有効なのです。

    そして、どうせやるなら「効率的・効果的に行うコツ」を踏まえてやりませんか?
    その近道は、一度で良いのでプロのトレーナーの指導を受けることです。
    そうすることで、あなたの目的・目標達成への道のりは、グッと早くなるに違いありません。

    この記事を書いた人

    株式会社ミリオン・フィットネス  
    代表取締役 林 界斗

    NSCA-CPT : NSCA認定パーソナルトレーナー
    NASM-PES : 全米スポーツ医学協会認定パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト
    カイロプラクティック整体院 トレーナー
    運動特化型デイサービス トレーナー

    「健康をテーマに運動を通して一人でも多くの方へ幸福を捧げたい」と思い、ミリオン・フィットネスを創業。お客様をはじめトレーナーへの指導、さらにラジオ番組においても運動指導をおこなうなど、アスリートから一般の方、子供から高齢者まで、幅広いお客様のご期待に添うべく活動している。
    主な出演:ABCラジオ「全力投球!!妹尾和夫です。サンデー」、FM守口「疋田哲夫の哲ちゃん”哲学”」

    共同執筆 丸林 稔

    同社 取締役
    コンサル会社を経営する傍ら、自身が60歳を迎えたのを機会にトレーニングに励んだ。筋トレは、今後の社会において高齢者に必須と身をもって感じ、World Trainers Academy (林の前職)でパーソナルトレーナー資格(NSCA)について林から学んだ。その後、林の理念に共感し事業を支援している。

    ミリオン・フィットネスは、大阪 肥後橋のリピートが多い 予約貸切制のおしゃれなコンディショニング・パーソナルジムです。

    ダイエット・ボディーメイク・姿勢矯正はもちろんのこと、肩こり・腰痛・膝痛・ストレス・疲れやすい・健診数値などの改善を、トレーニング & リカバリーケア & ニュートリション の3点からサポートいたします。

    大阪市西区京町堀1丁目7番22号
    クレグラン京町堀 501号

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