皆さん、人間は動物であることを忘れている方も多いのではないでしょうか。
    約700万年前、最初の人類が4足歩行から進化し2足歩行になりました。
    我々が当たり前の2足歩行はとても都合がよいですが、その代わりに現代の問題として、多くの方が肩こり腰痛に悩まされていると思います。

    では4足歩行の動物も、そのような悩みを持っているのでしょうか。
    私はそのような疑問を抱く中、「アニマルフロー」という動物の動きを取り入れたプログラムがあることを知りました。そして動画を見た際、‘眠っていた身体能力が解放されることで問題解決に繋がるのでは‘と発想しました。

    そこで先日、アニマルフローのワークショップに参加し、マスターインストラクターの方に、基本から徹底的に伝授してもらいましたので、皆さんにもお話しします。

    目次

    1.アニマルフローとは

    2.アニマルフローで得られる効果

    3.6つの構成要素
    (1)リストモビライゼーション
    (2)アクティベーション
    (3)フォームスペシフィックストレッチ
    (4)トラベリングフォーム
    (5)スイッチ&トランジション
    (6)フロー

    4.基本のエクササイズ
    (1)ビースト
    (2)クラブ
    (3)サイドキックスルー
    (4)クラブリーチ

    まとめ

    1.アニマルフローとは

    2010年アメリカで生み出された、筋力トレーニング、ヨガ、パルクール、ブレイクダンスなどの良い点を混ぜ込んだ、ハイブリッドトレーニングです。

    他のトレーニングと比較しますと、マシントレーニングだとレジスタンスな負荷をかけることができ、ヨガでは柔軟性向上が期待できます。

    一方アニマルフローは、マシントレーニング、スタジオレッスンのヨガ、ダンス等々あらゆる分野を一つのプログラムとして、様々な運動の利点が上手く網羅され、動物のような動きをしながら手足をダイナミックに使い、身体を操ることで全身の筋肉を万遍なく鍛えることが出来る効率の良い運動と言えるでしょう。

    2.アニマルフローで得られる効果

    一般的な筋トレは部位別で個々の筋肉を鍛えますが、アニマルフローは上記のとおり、あらゆる動きをする多面性のトレーニングなので、全身をバランスよく鍛えることができます。
    筋膜連結や、体を動かす筋肉のセットを効率的に使い、動作とそれを行う神経を鍛えることができます。
    要は、単に筋肉を鍛えるだけでなく、「動ける体」になるトレーニングです。

    例えば、筋肉をとても頑丈な鎧とした場合、鎧が重いがゆえに侍は体を上手く動かせず闘うことが出来ません。
    これでは「動ける体」とは言えません。
    「動ける体」とは、筋肉をつけるだけでなく、しなやかに使いこなせることなのです。

    さらにアニマルフローは、筋肉だけでなく、日常生活の動きで使いづらい筋肉を刺激することで、姿勢改善も期待できます。
    体の前側を大きくストレッチする動きや、お腹周りを意識するポジションが多いので、猫背の方であれば背筋が真っ直ぐなります。

    また、ストレッチ効果があり柔軟性が向上して体が柔らかくなります。
    柔軟性が上がると同時に、四つん這いになることで肩周りがほぐれ、循環が良くなることで肩凝り等の症状が軽減するでしょう。

    さらに頭部の位置や目線が上横に向くことで、脳の前庭感覚に刺激が入り活性化されます。
    言うまでも、脂肪燃焼効果もあります。

    3.6つの構成要素

    以下の6つの要素がありますので、ご紹介していきます。

    (1)リストモビライゼーション

    四つん這いが多いので、手首に負担がかかりやすくなります。
    そこで準備として、手首をほぐしておくことで体を支えやすくなります。
    軟部組織への循環が良くなり、怪我の予防になります。
    もちろん、インターバルや終わった後も実施して下さい。

    (2)アクティベーション

    動物の姿勢で土台となる基本のポジションを作り、筋肉にアイソメトリック(静的動作※)な負荷をかけます。
    言わば、簡単な体幹トレーニングです。
    まずは4足から始め、3足、2足へと支える部分を減らし難しくすることで身体を順応させていきます。
    身体を目覚めさせるウォームアップに最適です。

    ※ 筋肉を伸縮させずに一定の姿勢をキープして負荷をかける

    (3)フォームスペシフィックストレッチ

    エクササイズの中で動きながら体を伸ばし、柔軟性向上を目的としています。
    それと同時に体の可動域と安定させる力を同時に促進させます。

    (4)トラベリング フォーム

    動物の歩行動作を真似しながら、前後左右に移動します。
    ウォームアップやクールダウン、私生活でのアクティブレスト※に有効です。
    トラベリングの種類は、エイプ(猿)、ビースト(猛獣)、クラブ(蟹)があります。

    ※ 疲労時にあえて軽く体を動かすことで血流を改善させ、疲労物質を効率的に排出させる休養方法

    (5)スイッチ&トランジション

    重心移動や体を反転させることにより、動きに様々な組み合わせができ、繋がりが生まれ無限のコンビネーションを形成できます。

    (6)フロー

    アニマルフローの集大成で、あらゆる動きを連続して一つのトレーニングとして行います。
    可能な限り繋ぎ目がなく流れるようメニューを組み立てて実践しますので、創造力や持久力が試されます。
    動きと名前を覚えれば1人が動きをコールし、もう1人が コールを聞いてその動きをする方法もあります。
    反応の速さと正確性が求められます。

    4.基本エクササイズ

    ここからは、アニマルフローおススメのトレーニングを4つご紹介します。

    (1)ビースト

    基本ポジションの1つで、四つん這いの状態で両膝を3cm程浮かせます。
    特に体の前側の筋肉を鍛えられます。

    (2)クラブ

    ビーストと同様に基本ポジションの1つで、ビーストの裏側のエクササイズです。
    三角座りで両手の平を背中の後ろに置き、お尻を3㎝程浮かせます。
    横から見た際、体でM字を作ります。
    特に、体の背面を鍛えられます。

    (3)サイドキックスルー

    ビーストから脚を横にキックする動きです。
    右脚でキックする場合、右腕左脚で身体を支え、左腕は左耳の横まで上げ、右脚を左側へキックします。
    体を捻じり、クロスの筋ラインを鍛えられます。

    (4)クラブリーチ

    クラブから片腕を持ち上げ3点で支え、捻じりながらブリッジをします。
    体の前側を伸ばしながら背面を鍛えられます。

    まとめ

    アニマルフローは2畳程スペースがあれば、自宅でもできる優れたプログラムです。
    型を習得すれば、動きを組み合わせてトレーニングできます。
    時々、動物の動きを真似してみるのも体によい効果が現れると思います。
    怪我しにくく動きやすい体づくりに最適ですので是非やってみて下さい。

    この記事を書いた人

    株式会社ミリオン・フィットネス  
    トレーナー 那須 陸哉

    NSCA-CPT : NSCA認定パーソナルトレーナー
    NASM-PES : 全米スポーツ医学協会認定パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト
    整体トレーナー
    運動特化型デイサービス トレーナー

    代表の林が講師をしていたWorld trainers academyで林に師事し当業界に入った。自宅でも常に自己研鑽に励み、トレーニングや健康に関する学習はもちろんのこと、お客様にお勧めするトレーニングやストレッチは、時間があれば常に自身で試し、お客様の生活の質向上や健康的な生活へ導く準備に余念がない。また、USJでの前職経験があり、お客様に楽しんでいただく精神はトレーナー随一と評判が高い。将来が有望な若手である。

    ミリオン・フィットネスは、吹田 千里山・南千里のリピートが多い 予約貸切制のおしゃれなコンディショニング・パーソナルジムです。

    ダイエット・ボディーメイク・姿勢矯正はもちろんのこと、肩こり・腰痛・膝痛・ストレス・疲れやすい・健診数値などの改善を、トレーニング & リカバリーケア & ニュートリション の3点からサポートいたします。

    吹田市千里山西4丁目7番26号
    ラヴィール B101号

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