皆さんは、意識して腸内環境を整えていますか?
    良いパフォーマンスのために「身体の状態を整えるコンディショニングの根本は腸内から」と言っても過言ではありません。
    最近では、健康食品や美容などの業界でも、腸活をテーマとした酵素ドリンクやサプリメントを販売していますし、TVなどの媒体でも腸活が話題になりました。

    このような腸活で「腸内環境を整える」というのは、どういうことでしょうか。
    それは、腸内細菌のバランスを良くするということなのです。
    実は、医師が肥満患者へ真っ先にアプローチするのが腸内だそうです。
    ダイエット外来では、腸内環境を整えるための漢方を処方してダイエットを進めていくようです。

    では、腸内細菌のバランスを良くして整えるには、何か専門的なことが必要なのでしょうか?
    いえいえ、日頃の食べ物を少し意識していただくだけでも、十分に効果があります。
    さらに嬉しいことに腸内環境が良くなるだけではなく、副次的に様々なメリットも期待できます。
    それでは、それらメリットと食べ物に関して、詳しくお話していきましょう。

    目次

    1.なぜ腸内環境が大切なのか

    2.腸内環境を整えるメリット
    (1)便通の改善
    (2)免疫力の向上
    (3)アレルギー症状の緩和
    (4)快眠効果
    (5)ストレスの緩和

    3.腸内細菌のバランス

    4.腸に良いスーパーフード
    (1)カカオ
    (2)サツマイモ
    (3)ブルーベリー
    (4)グリーンバナナ

    まとめ

    1.なぜ腸内環境が大切なのか

    腸内環境は、状態が悪いと体や脳に様々な悪影響を及ぼしますが、整えば体の健康やメンタル面でも非常に良い効果を及ぼします。

    もう少し具体的にいうと、

    • 腸内環境が良い:美容・アンチエイジング・ダイエット・免疫機能の向上・消化機能の活発化など、様々な好影響がある
    • 腸内環境が悪い:肌荒れ・便秘・腹痛・免疫機能の低下など様々な悪影響があり、最悪の場合は大腸がんを引き起こす

    なぜこのようなことになるのでしょうか。
    それは、腸には免疫細胞の7割もが集まっており、身体に大きな影響を及ぼしているのです。
    ですから、決して見逃すわけには行かないのです。

    2.腸内環境を整えるメリット

    (1) 便通の改善

    腸内環境が乱れは、便秘や下痢の原因となります。
    腸内で悪玉菌が増えると、排便を促す腸の働き(蠕動運動)が滞り、便秘の原因となってしまいます。
    逆に言えば、腸内の善玉菌を増すことによって便通は改善するということです。

    参考:厚生労働省e-ヘルスネット 乳酸菌(にゅうさんきん)
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html

    (2)免疫力の向上

    秋になると「腸風邪」が流行りやすくなる原因は、夏に冷たいものやアルコールなどを過剰に摂取することで腸が弱り、その結果免疫力が低下するためです。
    先に述べた通り、腸には免疫細胞の7割もが集まっていますので、腸内環境を整えることが免疫力の向上に直結することは、言うまでもありません。
    腸内環境が善玉菌優位になれば腸内は弱酸性に保たれ、悪玉菌の増殖を防ぐため腸内の炎症を抑えるので、免疫細胞の維持につながります。

    ※免疫については、ブログ「正義のヒーロー「免疫細胞」を活性化する」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

    (3)アレルギー症状の緩和

    アレルギーやアトピー性皮膚炎などの疾患がある人は、健康な人の腸内と比較すると善玉菌が少なく、悪玉菌が繁殖しているケースが非常に多いようです。
    そのため、腸内環境を整え善玉菌を増やすことでアレルギー症状の緩和が期待できます。

    (4)快眠効果

    夜になると眠くなるのは、脳から分泌される睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンホルモンが働くためです。
    このメラトニンホルモンは、腸内環境と非常に深い関係があります。
    メラトニンの生成には、必須アミノ酸であるトリプトファンという栄養素を必要とします。
    摂取したトリプトファンは、セロトニンホルモン(幸福ホルモン)の材料となり、セロトニンホルモン分泌することでメラトニンホルモンの分泌を促します。
    この過程で重要なのが、腸内細菌の働きです。
    腸内環境が整った状態であるほど、睡眠の質を向上するメラトニンホルモンの分泌も向上します。

    (5)ストレスの緩和

    心の安定をもたらす幸せホルモンであるセロトニンホルモンは、上記の快眠効果にも記したとおりメラトニンホルモンの前駆体(反応段階的に前に位置する物質)です。
    善玉菌優位の整った腸内環境にすることでセロトニンホルモンの分泌が促され、心が安定します。
    怒りっぽい人やストレスが溜まりやすい人は、腸内環境を見直してみてはいかがでしょうか。

    3.腸内細菌のバランス

    腸内細菌には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類があります。
    この3つの腸内細菌のバランスが良いということが、腸内環境が整っているということになります。
    健康な人であれば、その割合は 善玉菌:2割・悪玉菌:1割・日和見菌:7割 と言われています。

    善玉菌

    腸内環境を整えるカギは、善玉菌を増やすことです。
    一般的には、整腸作用など人にとって有用な働きをする乳酸菌やビフィズス菌などを指します。
    魚やオリーブオイルなどの良質な脂質や、海藻類・キノコ類・果物など食物繊維を摂取することで、善玉菌が増えて腸内環境がよくなります。

    悪玉菌

    病気や食中毒の原因となる細菌であるウエルシュ菌や一部のサルモネラ菌などを指します。
    肉や小麦粉など消化に悪いものを食べすぎると悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなります。

    日和見菌

    善玉菌にも悪玉菌にも分けられない日和見菌は、腸内に善玉菌が多ければ善玉菌に偏り、悪玉菌が多ければ悪玉菌に偏ります。
    善玉菌を増やすことによって、日和見菌が善玉菌に偏り、自然と悪玉菌は減っていき腸内環境が良くなります。

    では、善玉菌を増やすにはどのようにすれば良いのでしょう。
    それは、海藻類・果物・野菜などに多く含まれる食物繊維や、魚・亜麻仁油・オリーブオイルなどに多く含まれる不飽和脂肪酸のオメガ3やオメガ9など、これらを積極的に摂取すると良いとされています。

    ※食物繊維と不飽和脂肪酸については、次のブログで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

    「ダイエット、忘れちゃいけない食物繊維」
    「脂質を極めればダイエットは成功する」

    4.腸に良いスーパーフード

    腸内に良いものとして、発酵食品根菜類などが代表例として挙げられます。

    その中でも非常に栄養価の高いスーパーフードを4つご紹介します。

    この4つの食品は、善玉菌を増やして腸内環境を良くするだけでなく、次のような様々な効果がありますので、ぜひ参考にしてください。

    • 抗酸化作用
    • 高血圧の抑制
    • インシュリン抵抗性効果
    • 血小板の凝集の抑制
    • LDL(悪玉)コレステロールの低下

    (1)カカオ

    カカオはスーパーフードの中でも有名で、カテキン・プロアントシアニジン・食物繊維・ポチフェノールなどの抗酸化作用の効果があり、健康促進物質としも有名な栄養素が非常に多く含まれています。
    野菜系や果物系の中では最も抗酸化作用があるとも言われています。
    カカオが含まれている食べ物といえば、ピンと来るのがチョコレートです。
    スーパーやコンビニなどで市販されているものでは、ダークチョコやビターチョコと呼ばれるものが代表的です。
    カカオの含有比率%が記載されていますので、70%以上ものがおススメです。

    (2)サツマイモ

    サツマイモには、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)という栄養素が多く含まれており、脂肪の蓄積を抑制する働きがあります。
    さらに蒸かしたてよりも冷めてからの方が含有量が増加するため、冷やしてから食べたり、干し芋を食べることをおススメします。

    (3)ブルーベリー

    ブルーベリーには、ポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化作用のある栄養価が非常に豊富に含まれており、アメリカではスーパーフードと呼ばれています。
    ポリフェノールは皮に多く含まれているため、皮ごと食べるブルーベリーは非常におススメです。

    (4)グリーンバナナ

    バナナは栄養価の高い果物としても知られていますが、特にグリーンバナナがおススメです。
    サツマイモでもご紹介した、脂肪の蓄積を抑制するレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が非常に多く、これが腸内細菌の餌になり腸内環境を整えてくれます。
    その他にも、カリウム、ナトリウムが血管の中を綺麗にして浮腫み改善にも効果的です。

    まとめ

    あなたの体の不調や疲れやすさなどは、腸内環境が悪いことが原因かもしれません。
    もちろんトレーニングやストレッチによる体のコンディショニング調整も重要です。
    しかしそれだけに留まらず、腸内環境の重要性を理解し整えることで、ダイエット・メンタル面・免疫力など様々な部分に効果が期待できます。

    ダイエットのためにも、広く健康のためにも、まずは腸内環境を整えることから始めてみてはいかがでしょうか。
    そのためには、食事の質を改善することが非常に重要です。
    今回ご紹介したお食べ物を、ぜひ参考に実践してみてください。

    補足:バランスよく食べるという定義

    国連食糧農業機関(FAO)によると、じゃがいも、米、サトウキビ、トマト、コーン、パーム油などの12種類の農作物と5つの動物性食品によって、世界の75%の食糧の供給はなされているとしています。
    よく「30品目食べましょう」と言いますが、30品目食べたからといって栄養バランスが整っているとは限りません。それは原材料を探っていけば、上記の75%の食糧に集約されていたりして、思うほど種類は食べられていないケースが多いということです。
    重要なのは、1品1品にどのような原材料が使われているのかを確認することが大切です。

    参考: 国連食糧農業機関(FAO) | 国連広報センター (unic.or.jp)

    この記事を書いた人

    株式会社ミリオン・フィットネス  
    代表取締役 林 界斗

    NSCA-CPT : NSCA認定パーソナルトレーナー
    NASM-PES : 全米スポーツ医学協会認定パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト
    カイロプラクティック整体院 トレーナー
    運動特化型デイサービス トレーナー

    「健康をテーマに運動を通して一人でも多くの方へ幸福を捧げたい」と思い、ミリオン・フィットネスを創業。お客様をはじめトレーナーへの指導、さらにラジオ番組においても運動指導をおこなうなど、アスリートから一般の方、子供から高齢者まで、幅広いお客様のご期待に添うべく活動している。
    主な出演:ABCラジオ「全力投球!!妹尾和夫です。サンデー」、FM守口「疋田哲夫の哲ちゃん”哲学”」

    ミリオン・フィットネスは、大阪 肥後橋のリピートが多い 予約貸切制のおしゃれなコンディショニング・パーソナルジムです。

    ダイエット・ボディーメイク・姿勢矯正はもちろんのこと、肩こり・腰痛・膝痛・ストレス・疲れやすい・健診数値などの改善を、トレーニング & リカバリーケア & ニュートリション の3点からサポートいたします。

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